「吉野の葛」は有名ですよね。
吉野を訪れた多くのお客様が、葛を買ったり、葛のお菓子や料理を食べています。
もちろん通販で購入される方もたくさんおられます。
でも、葛粉が何を原料にどうやって作られているか?
知らない人も多いのではないでしょうか。
まず葛粉というものは、葛という植物の根から取り出した澱粉です。
葛は多年草ですので、地上部分は冬には枯れて春に新芽を出す。
夏に生い茂り、再び冬には枯れていく。
それを何年も繰り返すことにより、根が力強く成長し質の良い澱粉を作り出します。
12月頃になると葛の根を掘りに行きます。
葛の根は非常に大きく、20kg~30kgくらいになることもあります。
掘るだけでも結構大変です。
そして、ここからどうやって葛粉になるのか?
家庭でもできるような感じで説明していきます。
まず掘った根をキレイに洗って小さくカットします。
金槌などで叩いて、柔らかくします。
たっぷりの水の中で揉んで澱粉を絞り出します。
ほとんど泥水ですね。
メッシュで漉して根やゴミを取り除きます。
バケツに入れて一晩くらい置いておくと
こうなります↓
澱粉は沈むという特徴があります。
上澄みは灰汁やエグミで真っ黒です。
この底には↓
澱粉が沈んでいます。でも濁りがいっぱいです。
上澄みの水を捨てて綺麗な水を入れて混ぜます。
次の日になればまた澱粉は沈んでいます。
上澄みはまだ濁っていますので捨てて綺麗な水を入れて混ぜます。
次の日もまた次の日も、何回も水を換え続けます。
1週間くらいたったものがこれ↓
かなりキレイになったように見えます。
でも沈んでいる澱粉はこんな感じ↓
まだまだですね。
真っ白になるまで続けましょう!
っていうのが葛粉の精製なんです。
葛の工場ではプールのような水槽を使い葛を晒しています。
気温や湿度、水温などをしっかりと感じ様子を見ながらゆっくりと灰汁を取り除いていく。
吉野に受け継がれる伝統製法「吉野晒し(よしのざらし)」。
吉野には冬のキビシイ寒さと湧き出る美しい水、冷たく乾燥した空気、そして職人の技術力があります。
最高の葛粉を作るには、人も自然の環境も最高でなければいけません。
だから昔から今まで、葛といえば吉野なんですよね。